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曖昧
わかっていないと言われても、こっちのセリフだと感じてしまう。
考えさせてと言われて、どんな顔をして毎日過ごせば良いのだろう。
朝、駅まで一緒に行くことも。
夕方に立ち話をすることも。
寝る前に、ゲームをしながら垂れ流しの通話をすることも。
僕にとって大切な時間だ。
その「考えさせて」の期間、それらの時間はどうなるのだろう。もし僕が告白したことでこれらの時間が消えてしまうのなら、「恋人」を欲しがった自分を呪うしかないし、告白なんてしたくなかった。
「……今日このあと、通話できないのとかキツイな」
思わず本音が漏れた。これに対してホノカは眉間に皺を寄せた。
「は? なんでよ。通話しようよ。それは関係なくない?」
「ええ? いやこういうときって、距離とったりせん?」
「したくないならいいけど」
「いやしたいよ、僕はしたいけどさ」
「じゃあ、それでいいじゃん」
ホノカは口を尖らせると、そう発しながらそっぽを向いた。
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