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「嘘よ!」
グレーテルの横でカラスの話を聞いていた私も叫びました。
「豆苗、お前まで反応しなくていい。うるさい」
カラスは私に向かって言いました。
「そんなこと言われても黙ってられないわ! グレーテルはどうなるの?」
「そんなの教えないよ。それにしても、グレーテルに食べられたくせによくグレーテルの心配なんてしてられるな」
「私はたくましいからね。この通り復活してるし」
私は刈り取られた後も成長していました。再び食べられるぐらいまで育ちつつありました。
「ふん、どっちが食べられるのが先かな」
「どういう意味!?」
その夜、グレーテルの叫び声が聞こえました。
親戚のおばさんは、グレーテルを殺してしまったのです。
「そんな……! 何のために!?」
ショックを受けている私の横で、
「やーい、やーい」
とカラスが笑っていました。
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