最果ての魔法使い

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最果ての魔法使い

何が悲しくて大陸の僻地へ行かなくちゃならないのか? 最初学園からそこが卒業前の研修地として言い渡された時、私は開いた口が塞がらなかった。 「ちょっと待って下さい、なんで私が終末の断崖へ行かなくてはならないのですか?」 終末の断崖、それはこのローレンス大陸の最北端に有ると言われる岬がそう呼ばれていた。 「ふむ、そうは言ってもね~~決まりだからね~~フレデリカくん、ふむ」 「学長、納得が行きません。私は今期で一番優秀な成績をおさめてる者ですよ。どうして、私は勇者パーティのお供が出来なくて、あんな寂しい僻地に飛ばされないと行けないんですか!?」 「ふむ、それは君が優秀故です。ふむ」 「優秀ならどうして?」 「ふむ、それが決まりだからです。ふむ」 くっ……また話が元に戻った。優秀だとなんで世界一安全な場所へ私を飛ばしたがるのかが理解出来ない。 卒業後は王国の第一騎士団と並ぶ聖杖の奇功師団への入団を確約されているこの私がどうして? まさか……私は密かに先生方に嫌われているとか。いや、そんな嫌われるような憶えは(汗) 有り過ぎて頭が痛くなって来た。 いや、でもバレてないはず。 水の魔法使いのアフレシア先生の噴水を破壊しただとか、土の魔法使いのガルデニア先生の花壇の花を全焼させただとか、風の魔法使いのフリーシア先生の大事な鳥を一匹野に放っただとか、そんなこと何れもバレては居ないはずだ。 だって、誰にも見られていないのだから。 とにかく、一番優秀な私がそんなふざけた場所に行かされるだなんて納得が行かない。
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