一〇.Farewell 22

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一〇.Farewell 22

誕生日を迎え、22歳となった夏。学年でいえば大学4年生。 星來は事務所の一室で、マネージャー、そして事務所の社長秘書の男に呼び出されていた。 「響木一弥君との一件ですが、サニーファクトとの均衡を保つためにも、しばらくメディアへの露出を控えようと思います。」 大学の3人組に見せられた一弥との画像。『HANZO』で、朱朗の応援係であるはずの星來が、一弥の隣に座っていたとネット上の小さな話題になっていた。 SNSで拡散され、星來が悪者扱いされている状況だ。 「響木くんとは学友で親しいのは分かりますが、サニーファクトからの圧力がかかれば、いくら有名脚本家のひ孫である風音さんでもこの世界にいられなくなる可能性だってあるんです。」 「……すみません。」 「しばらくは謹慎ということで、この機会にゆっくり休んでください。」 謹慎処分となった星來だったが、自分が悪者扱いされている側でよかったと感じていた。 仕事で一弥に迷惑をかけたくない。
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