ケモミミノート ～警視庁 第七特殊班あやかし係のホームズ～３

ケモミミホームズと紙飛行機

「けもみみがどうしたって？」

　……職場では逃げられたが、二人きりで食事をしているときは逃げられない。

　聡花は桐生に誘われ、鉄板焼きの店にいた。

「はあ、ケモミミと言うのはですね」
と説明しかけたが、

「いや、けもみみは知っている」
と桐生は言う。

　意外だ……と思ったが、小学生の従弟が一緒にスマホゲームをやろうと言ってくるので知っているのだそうだ。

　子どもとだったら、一緒にゲームするんですね。

　私が一緒にやりましょうと言っても、なにもやってくれそうにはないんですが。

　そう思いながら、聡花は言った。

「いや、なんか慣れない感じにおっしゃるので、ご存じないのかと。

　……実はその、夢を見たんです」

　夢の中に出てきたケモミミホームズが桐生と同じ顔をしていて、紙飛行機の折り方を教えてくれたという話をした。

　そのケモミミホームズの夢を頻繁に見ている、というところは端折(はしょ)っておいたが。