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「お前、この間の現場に行ってから、車に乗るたび、誰かのためにドアを開けたり閉めたりしているぞ」
なにか憑いてるんじゃないのか? と桐生に言われる。
言われてみれば、桐生が乗るのとは別にドアを開けたり閉めたりしている。
ときに、桐生が乗らない方側のドアを開けてみたり――。
完全に無意識だった! と聡花は頭を抱える。
「っていうか、誰っ!?」
聡花は自分の後ろを振り返ってみたが、なにも見えなかった。
そういえば、昔、素早く振り返ったら、守護霊とか背後霊が逃げそびれて見えるとか聞いたことある気がするんだがっ。
聡花は何度も激しくおのれの背後を振り返って、
「なにをしている……」
と呆れたように桐生に言われてしまう。
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