プロット集 ─── これから小説になるアイデア ───

【プロット】贋作師

古びたアパートの一室で、孤独な画家、水原は贋作を描いていた。
才能に恵まれながらも、世間から認められず、貧困に喘ぐ日々。彼の唯一の慰めは、巨匠たちの筆致を模倣し、完璧な贋作を生み出すことだった。
ある日、水原は謎めいた男、黒木から奇妙な依頼を受ける。
それは、世界的に有名な美術館に展示されている名画「月夜の貴婦人」の贋作を作り、本物とすり替えるというものだった。
巨額の報酬と引き換えに、水原は危険な計画に手を染める。
黒木の指示に従い、水原は「月夜の貴婦人」を徹底的に分析し、寸分の狂いもない贋作を完成させる。
そして、綿密に練られた計画を実行に移す時が来た。
厳重な警備をかいくぐり、美術館に潜入した水原は、本物と贋作を巧妙に入れ替えることに成功する。
しかし、計画は思わぬ方向へ進んでいく。
贋作に入れ替わった「月夜の貴婦人」は、美術評論家たちから「真作を超える傑作」と絶賛され、世界中で大きな話題となる。
水原は自分の才能が認められたことに喜びを感じながらも、同時に罪悪感と不安に苛まれる。
さらに、黒木の正体とその真の目的が明らかになるにつれ、水原は自分が巨大な陰謀に巻き込まれたことに気づく。
黒木は、贋作を利用して美術界を混乱に陥れ、巨額の利益を得ようとしていたのだ。

追い詰められた水原は、黒木との対決を決意する。
己の才能と信念を武器に、彼は偽りの仮面を剥ぎ取り、真実を明らかにしようと立ち上がる。