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 私は驚愕した声を出した。  製造技術が発展した昨今、人間とそっくりそのままのヒューマノイドを作る技術まで確立されていた。その結果、死んだ人間を模したヒューマノイドを提供する会社が生まれた。  その会社は、最新の技術・素材を用いて、身体つきから喋り方、その思考回路まで故人そっくりに模す事が出来るという。  作り上げた後も、多くの人間と会話をすることで学習し、成長する機能も備えているらしい。  画期的な技術だったが、死者を冒涜しているような、倫理観がないビジネスだと批判する者もいる。  ケイトの両親は、ケイトが亡くなった時にソレを造るよう契約をしていたらしい。  ホンモノのケイトが亡くなってから一年後、ケイトの姉は初めて、アンドロイドのケイト──つまり今、私の目の前にいるケイトと出会った。  ケイトの姉は契約のことを当然知らなかった。だから彼女はアンドロイドのケイトとどう接すれば良いのかわからず、距離を取っていたらしい。
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