立派な幽霊

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 〇月×日 「リスカしてたら死んじゃったの」  聞いてもないのに、佐東さんが話しかけてきた。  俺があまりにも無関心で生活しているもんだから、とうとう佐東さんのほうから接触を試みてきたようだ。 「ふうん」  と俺は缶ビールを飲みながら、相づちを打つ。  今日は休日なので、俺は昼間っからアルコールを摂取していた。佐東さんに憑かれてから肩こりがえげつない。もういい加減、成仏してくれないかと思っているうちに、一週間も立っていた。 「いや、もっとなにかないの? かわいそうだねとか、どうしてそんなことしたのとか」  佐東さんはキレ気味に突っかかってきた。  あー、めんどい。 「ない。興味がない」  死んぢまった悲しみをぐだぐだ言ったところで、佐東さんは生き返らないじゃないか。そんな旨を伝えると、佐東さんはぎゃん泣きしだした。  ……大人げない。  とりあえず俺は休みたかった。が、とてもじゃないが休めそうにない。  その日は、一日中タンスが勝手に開いたり、変な物音がしたりとポルターガイストがひどかった。嫌がらせもいいところである。
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