1、会話

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良かった! 天使はドッコイ生きてるらしい。 チン! とレンジが鳴ると 智子がソファからノソリと降る気配がした。 この、ノソリ、が最近多くなった。 男の家族が留守になって 乃愛の家のタガは外れたようだった。 娘と母は共犯者のように結託して どこまでもズボラになる。 取り込んだ洗濯物は たたまれることなく山になったままだし ペットボトルもリサイクルに出されず 流しの脇に溜まっている。 乃愛も智子を雑然とした室内を ノソリ、ノソリと動いている。 「先、食べてて」 乃愛に声をかけて 智子はソファにまた寝転がり、スマホを手に取った。 久しぶりにユミにLINEする。 智子は冷蔵庫のクリオネの瓶を見るたび 電気が止められそうになっている ユミのことを思い出してしまう。 最近は、乃愛が冷蔵庫を開ける音だけで 思い出してしまう。 (ユミさんこんばんは!😊 体調どうですか? コロナ給付金の申請、もうした? 10万円は助かるよね〜) 余計なお世話とは分かっているが やはり、ユミが給付金のこと知ってるか 気になっている。 ご飯が終わる頃、返事が来た。 (智子さん、お久しぶりです😊 助成金の申請もう出したよ) (良かった! やっぱり余計なお世話だったね!) (心配してくれてありがとう😊 自分は分かんなかったけど 木下さんが手伝ってくれたよ) ん?キノシタさん?って誰⁇ ユミの言葉はいつだって謎めいている。
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