1、会話

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ユミのメッセージが謎めくのは 自分(ユミ)が知ってるコトは 相手も知ってるテイで話が進むからだ。 (ごめん!木下さんて誰だっけ?) (セミナーに居た先生だよ) う!あのマルチ商法の厚化粧の女か そうだ確か、木下って名前だった。 「うーーーーっ!ヤバイヤバイヤバイ」 スマホをソファに投げ出して 智子は仰け反って呟いた。 「なに?」 乃愛がびっくりして振り向く。 「ユミさんとこの給付金にマルチが目をつけた‼︎ どうして信用するかなあ」 「マルチって ママがこないだ監禁されたやつ?」 でも… 乃愛にはちょっとわかる気がする。 その「マルチ」ってヤツが ユミさんにとって一番親身になって 話を聴いてあげてるに決まってるからだ。 だって、ユミさんはカネヅルだから。 きっとマルチはユミさんのことを バカにせず、否定せず、憐れみもせず ただ親身に(フリで)話を聴いてくれる。 ユミさんにとってこの世で味方はマルチだけなのだ。 そういう人に頼りたくなるのは乃愛にはわかる気がした。
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