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ユミのメッセージが謎めくのは
自分(ユミ)が知ってるコトは
相手も知ってるテイで話が進むからだ。
(ごめん!木下さんて誰だっけ?)
(セミナーに居た先生だよ)
う!あのマルチ商法の厚化粧の女か
そうだ確か、木下って名前だった。
「うーーーーっ!ヤバイヤバイヤバイ」
スマホをソファに投げ出して
智子は仰け反って呟いた。
「なに?」
乃愛がびっくりして振り向く。
「ユミさんとこの給付金にマルチが目をつけた‼︎
どうして信用するかなあ」
「マルチって
ママがこないだ監禁されたやつ?」
でも…
乃愛にはちょっとわかる気がする。
その「マルチ」ってヤツが
ユミさんにとって一番親身になって
話を聴いてあげてるに決まってるからだ。
だって、ユミさんはカネヅルだから。
きっとマルチはユミさんのことを
バカにせず、否定せず、憐れみもせず
ただ親身に(フリで)話を聴いてくれる。
ユミさんにとってこの世で味方はマルチだけなのだ。
そういう人に頼りたくなるのは乃愛にはわかる気がした。
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