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あの頃メは、まるで小さな雛鳥のように、本当になんでも、どんな些細な事にでも興味を持って騒ぎ立てた。いつも机の片隅にいて、何か疑問を持つ度『親』である僕を質問攻めにした。
ただ、重ねてになるが僕はまだ小さな子どもだった。知らない事の方が多い。
それでも、「そんなの分からないよ」で済ませずなんとか答えを捜しだして彼の要求に応えようとしたのは、当時の僕がおそらく背伸びをしたいお兄さんのような気持ちというか、親としてのある種使命感のようなものを感じていたからなのだろう。
質問の答えが分からない時は母に聞いたり、幼稚園の先生に聞いたり、小学生になってからは本やネットも使ったりするようになった。
そうしてその成果を教えてあげると、メは決まって『ありがとう。またひとつ賢くなりました』といってレンズをきいきい鳴らした。そのたび僕はうれしくなり、報われた気分になったのだった。
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