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「こおら、暴れないの。優美ちゃんは聞き分けのいい子だと思ってたけど、違うのかな?言うこと聞けない子には、残念だけど分かってもらえるまで教えてあげる必要があるよね。」
そう言ってあたしを軽々と持ち上げると、ベッドのある部屋へと連れていかれ、そのまま組み敷かれる。
綺麗な顔が、あたしを見下ろす。
感情の読み取れないその表情はとても不気味。
「優美ちゃん、一応確認するけど、俺たち今まで通り仲良くやっていくことはできない?俺を受け入れてくれるなら、このまま幸せに暮らしていけるよ?」
「…っ、そ、そんな、の、無理だよっ」
だって、この人、
頭のいかれたストーカーだ。
大好きだったはずの人が今は気持ち悪く、ただただ恐ろしい。
「そっかあ、残念だなあ。優美ちゃんなら俺のこと、受け入れてくれると思ってたのに。
まあ、いいよ。俺って追いかけるのが好きだから。また優美ちゃんに好きになってもらえるように頑張るね。」
するっと、あたしの髪を掬い上げて、そこに口付けを落とす。
「それまで、ここから出ることは許さない。たっぷり俺の愛を受け取って、そしていつかまた、俺を愛してね。」
重ねられた唇の温度は冷ややかで、まるで氷のようだと思った。
「両思いも幸せだけど、やっぱり追いかける愛って、最高に勃起する。」
そう言って笑った表情は、今まで見た中で1番、蕩け、満悦としていた。
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