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【分かりました。喜んでお供します。】
日向さんからの返信に頬が緩む。確か日向さんは今年26歳。仕事は税理士だと言っていた。
それが本当かどうかは分からないけど、そこを疑っては何も話が進まない。
別にそこまで深い話をするつもりはないし、仕事や年齢が嘘だって構わない。
ただちょっとどんな人なのかなって、声を聞いてみたいだけだ。
【やった〜!じゃあ今からかけますね!】
顔も、本当の名前も知らない相手との通話は初めてで何だか緊張してしまう。
SNSに搭載されている通話機能を使って、さっそく電話を掛けてみる。
耳にはワイヤレスイヤホンを装着した。
待つこと数秒『もしもし?みゅうちゃんですか?』開口一番、ハスキーな声があたしの鼓膜を揺らした。
うわっ、声、かっこいい。
想像していたよりも100倍かっこいい声にどきっと胸が高鳴った。
「こんばんは、みゅうです。日向さんの声が素敵すぎて驚いちゃいました。」
ふふっ、と笑ってから財布片手に家の鍵を閉め、歩いて10分ほど先にあるコンビニを目指した。
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