その白を染めて

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「っ、あっ、、っ、」 「声、我慢しなくていいよ。俺しか聞いてないんだから。」 あたしの中へとはいってきた熱は、まるであたしの体を熟知しているかのように快楽を絶えず運んできて、声を抑えることが困難だった。 「木村くんっ、、っぁ、きもち、い…っ?」 木村くんの首へと手を回して、ぎゅっと抱きつくように問う。 あたしは今まで感じたことのないような、快感を感じている。 だけど木村くんはどうなんだろう。 あたしとおんなじ気持ちだったらいいな。 そう思って聞いた言葉は「ん、気持ちいよ。」と掠れた声で囁かれ、それにまた体が痺れた。 気持ちの伴わないセックスは虚しいだけだと、誰かが言っていた。 確かに今までのあたしだったら、そうだよなぁ。って思ってた気がする。 だけど今日、その考えが確実に変わった。 例え木村くんがあたしのことを好きじゃなくても、今この瞬間だけはあたしのことだけを考え、求めてくれているんだと思ったら全然虚しくなんてなかった。寧ろ、幸せすぎて泣いてしまいそうだった。 この行為の最中だけだとしても、あたしは確実に満たされていて、世界で1番幸せな女だったと自信をもって言える。 そう思わせてくれるほど、木村くんはあたしをとても甘く、優しく抱いてくれた。
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