その白を染めて

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指定されたカフェで木村くんを待つこと15分。 注文したカフェラテはあたしの体を温めてはくれたけど、この気持ちを落ち着かせてくれることはなかった。 「悪い、遅れた。」 それから更に10分後、少しだけ息を切らしてやってきた木村くんがあたしの前へとやってきて、そのまま見下ろしてくる。 今朝ぶりの木村くんは相変わらずかっこいいし、しっかりと違うスーツに身を包んでいるあたり、木村くんも一旦家に戻ってから出社出来たのだと安心した。 「ううん、大丈夫。…えっと、話って?」 話題を先延ばしにしてもしょうがない。 下から窺うように問いかけた言葉は「ああ、ここじゃちょっと。」と、そのまま手を引かれて、とっくに飲み干したカップを手にするとさっさとそれを片付けて店内を後にした。 繋がれた手はそのままに、電車に乗って3駅のところで降りた先にやってきたのはとあるマンションの前。 「えっと、ここって…?」 会話をする空気感ではなかったため、黙って着いてきたはいいものの、さすがに我慢ができずに問いかけた。 「俺んち。」 だ、だよね!! そうかなとは思ったけど、でもなんで?? 浮かんでくるのは疑問ばかりで、あたしの脳内は今大変なことになっている。
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