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やや茶色がかった双眼がそんなあたしを見下ろしている。
「何で?俺のために選んで着てきたんじゃねえの?」
居酒屋でのあたしの言葉を指しているのだろう。
確かにそうだ。木村くんに会える日はいつだってあたしにとっては勝負の日。そう思って下着を含めた身なりは毎回気合を入れて可愛いものを選んでいた。
「っ、そ、そうだけど…、」
でも、いざそういう場面に直面すれば恥ずかしさの方が何倍も勝ってしまう。
「見せて。」
間髪入れずに囁かれた甘すぎる声音に「うっ、」と声を詰まらせながらも、おずおずと手をどかせば純白の生地に可愛い刺繍やフリルのあしらわれた下着がお目見えする。
は、はずかしすぎるっ
内心ソワソワ、バクバクと落ち着かない。
きゅっと、目を瞑っていたあたしの耳元にちゅくっと唇が吸い付く。
「野々原に似合ってて可愛い。」
いつもとは違う、甘さしか含まれていないようなその音色は、あたしの体をぶるっと震わせた。
それは反則だよ、木村くん。
そのまま体へと伸びてきた手は優しく、滑るようにあたしの体を弄って反応のいい場所を暴いてく。
こんな気持ちいの、最後までちゃんと耐え切れるんだろうか。
漏れ出る声もそうだけど、好きが溢れてしまわないように必死に気持ちをセーブした。
こんな時に好きだなんて言ってしまったら、きっと萎えちゃうよね。
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