Gemini

5/17
前へ
/17ページ
次へ
「父さんと母さんには上手く言っておくからさ、新人戦……出てくれない? お前なら俺の代わりになるし……」 「ならないよ! 見た目だけじゃないか!」 必死に首を振る風太。 無理もない。 クラブチームを退団してから、チームでサッカーなどしていないのだ。 「頼むよ……上手くいかなくても、お前の事を責めることはしないから……。それに……。」 「それに?」 「もう、呼んであるんだ。今の『相棒』をさ。」 雷斗がスマートフォンを操作すると、ひとりの長身の男子生徒が病室に入ってくる。 「紹介するよ。俺のツートップの相棒、隼人(はやと)だ。」 隼人と呼ばれた男子生徒は、風太のことを怪訝そうに見つめる。 風太も、隼人のことは知っていた。 同じクラスのクラスメイトなのだ。 「お前……サッカー出来るのか?」 隼人は、風太に冷たい視線を向けた。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加