うれし涙

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 俺はステージを下りた。俺の恋人が体育館に来た。ステージの上で変なダンスを、していた俺の姿を、恋人に見られなくて、俺は良かったと思った。彼女も俺に気が付いた。笑顔でステージの上を、俺は恋人と一緒に並んで見ていた。  高校生時代のそんなことを、思い出していた。俺は陸上競技場から歩いて、自宅に帰った。    翌日、仕事の休み時間に俺とカズは、そば屋に電話をかけた。オ フィスに出前を頼んだ。すぐにそば屋の店員が来た。二人で食事し た。 「僕も小学生の頃にサッカーしていましたよ。元日本代表の三浦カズさんには負けます。僕はサッカーがあまり上手くなかったのですが。僕は野球もしました」  カズが笑った。 「ポジションもディフェンスでした。僕はフォワードも少し、やり ました」  カズはそばをすすった。 「あなただってカズですよね」  俺も笑った。俺はうどんを食べていた。 「中学生の頃は、陸上競技部もやりました。僕は高校生の頃は野球 をやりました。杉原さん、あなたは何か部活をやりましたか?」 「小学生の頃から、高校生の頃まで、陸上競技をやりました」 「だからか」
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