うれし涙

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 俺の恋人が、オリンピック代表選考を兼ねた陸上競技の大会に、 出場した。俺の恋人は、オリンピック日本代表候補になっていた。 俺の恋人は女子八〇〇メートル走に出場した。  俺の恋人はスタートから先頭を走った。そして、ゴールするまで 一度も、誰にも俺の恋人は前を走らせなかった。彼女は女子八〇〇メートル走を独走で優勝した。オリンピック本大会でも、メダルが期待されるタイムだった。  俺は陸上競技場の客席で恋人を、応援していた。俺の恋人は三千メートル走にも出場したが恋人は最後尾を走っていた。そして、彼女は八〇〇メートルでリタイアした。俺の恋人が彼女自身のお尻を押さえながら、控え室の方に小走りで行く姿を見て、俺は変なものを感じた。俺はリタイアの理由が、もしかしたら「あれ」ではないのか、と分かった。  俺の恋人が客席に、姿を現した。俺は笑った。  俺の恋人は笑いながら、本当のことを言わなかった。 「理由はトイレだろ」  俺は笑った。 「何故、分かるの?」  俺の恋人は笑顔になった。 「ウンコもらしたからだろ」  俺は笑っていた。
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