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I
(うぇ……なんて露出の高いドレスばかり)
お嬢様の身体になって一時間。ドレスに着替えておくようにとの指示があったため、私はお嬢様のドレスをなんとか一人で着た。通常であればメイドの手助けがあるものだが、お嬢様の性格の悪さゆえ、私以外のメイドは一人も残っていない。私だって、隙あらば逃げ出したいくらいだ。
私、ミリアン=レナールは男爵令嬢である。
お嬢様のお父様――即ちコードレイン公爵に父が弱みを握られたことをキッカケに、同い年だからという理由で私は彼女にメイドとして仕えることになった。けれど、地味な私と派手なお嬢様では破滅的に馬が合わないのだ。
(とりあえず一番布面積が多いやつにボレロを羽織って……)
普段の動きでは邪魔にならないところに胸が当たって鬱陶しい。
(まぁ、男の人はこういうのが好きなのでしょうけれど)
持っているものも、性格も私とお嬢様では正反対だ。
(私もこんな顔とプロポーションに産まれていたら、お嬢様みたいな性格になっていたのかしら)
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