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巷では線が細くて折れそうな殿方が大ブームだが、私は違う。殿方は肩幅! 肩幅の広さだけが全てを解決すると思っている。肩幅は広ければ広い程よい。3mあっても構わない。よって、健康的な運動によって鍛えられたハロルド様の肩幅は3mはないが、ガッチリとしてとても素晴らしいものだった。
「あの、肩にゴミがついています」
つい、肩へと手が伸びる。決して、決して肩に触れる口実が欲しかった訳ではない。信じて欲しい。私は鬼の忍耐力でゴミだけをつまみ、肩に触れることはなかった。
「今日はいつもと雰囲気が違うな。だが、この方がいい」
「ほ、ほほほ。ありがとうございます」
身体はビッチお嬢様でも欲望に忠実な心まではビッチお嬢様になってはならない。あ、ビッチお嬢様じゃない。ビオラお嬢様だ。私は、守るべき一線を守ったのだと私は自分自身を褒め称えた。
私の葛藤を知らないハロルド様は私の手を取ってホールに誘う。
「一緒に踊ろう」
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