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Prologue
「無理です!」
「無理ではないの。やるの」
ここはお嬢様の為に用意された通常の二倍の広さの居室。公爵令嬢であるビッc……ビオラお嬢様は花の17歳。豊満なダイナマイトボディにキツめの美人顔であるお嬢様は、その我儘な性格と各所に愛人を持つ奔放さで評判だ。
「これは魔法の手鏡よ。まじないは掛けてもらっているから、この鏡にお前の姿を映すと――」
「きゃっ!!」
お嬢様がメイドの私に紫の手鏡を見せると、私の女性にしては背が高く、ガマの穂のような平坦な身体がたちまちはち切れんばかりのナイスバディになった。とても美人とは言えない平凡な顔はどこぞの悪役令嬢のような華のある顔になり、声も艶やかで艶かしい。見覚えがありすぎる。美しいがとても厄介で相手にしたくないこの姿は――お嬢様と瓜二つの姿なのである。
(きゃあぁぁあ!! どうして私がビッ……ビオラお嬢様の姿に!)
「フン、私よりは見劣りするわね。まぁ、いいわ! 私、これから何人かと遊んでくるから。あなたは今夜のパーティーで私の堅物婚約者の相手をよろしく」
「えっ!? お嬢様!?」
お嬢様は慌てる私を置いて、何処かへと去っていってしまった。
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