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ゲス(レジネス)視点
やべぇ!! フィリアが美人なのは有名。けど実物は別格!
こんな女を好きにしていいなんて、たまんねぇッ!!
「フィリア様。庭園を散歩しましょう」
「ええ」
え。騎士までついてくんの?
侍女が二人もいて煩わしかったから、外に出たのに。
「今度、オペラにご一緒しませんか?」
「喜んで」
「私は椿姫が好きです。フィリア様は?」
「特に」
沈黙────。
なんなの。この女。クソ面白くねぇ。
顔だけじゃん。そりゃ婚約者にも捨てられるわ。
だけど俺は捨てない。公爵家は姉妹だけ。
つまり結婚後は、この庭園も、屋敷も俺の物!
したら女なんてちょろいから、みんな俺にかしずくんだ!
「婚約してください。お慕いしておりました」
「かまいません。お父様に報告してください。では失礼します」
うわっ! お高くとまってやがる。
普通、嬉しいとか、ありがとうだよな?
愛を告白してるんだからさ。
ま、でも、公爵様に許可貰わなきゃ正式に婚約できないしな。
行くか。
「きゃ。ごめんなさい」
突然、かわい子ちゃんが、しなだれかかってきた。
かまわんよ。やわらけえ。いい乳だ。
「いかがしましたか?」
「ちょっと立ち眩みが。どなた?」
「レジネスと申します。公爵様に、フィリア様との婚約の報告を」
「妹のルダスです」
ルダスは俺にしがみついて離れない!
潤んだ上目遣いで俺を見つめる。
これくらいフィリアも、かわいげがあればいいのに。
「休める所にお運びしましょうか」
「はい。お願いします」
抱きかかえ、ルダスに案内された部屋に運び込む。
軽いのに、どこもかしこも柔らけえ。
けど浮気はいけない。怒らせて、破談になったばっかだ。
「では」
「お待ちになって」
ベッドに降ろすと、ルダスは俺の手を握る!!
「お姉様をよろしくお願いします。このまま、お姉様が結婚できなければ、私が家を継ぐように言われていて……」
おいおいおい。家を継ぐのは妹でもいいのか?
だったら、ちょろい妹でよくない!?
「ルダス様は、想い人がいますか?」
「いいえ。身体が弱いですから。寂しくて」
「寂しいの?」
「とても」
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