長男、衝撃の愛の告白

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長男、衝撃の愛の告白

軌道修正が必要だろうか。 「その、ビー兄さん。真面目な話をしようか」 「あぁ、結婚しようか。イトたん」 ……。――――――そうじゃっ、ねえぇぇ~~~~~~っ!!! 「蜂が多く拷問にかけられるって話だけど。弟を抱くことでビー兄さんもセイガ兄さんに拷問されると言う流れにはならないだろうか」 こんな変態兄だけども、今まで俺を育ててくれた親代わりである。 さすがに兄同士で血で血を洗う展開は嫌だ。ビー兄さん、さっき蝶のコチョウ兄さんにシメられてたけどな。あれはあれだ。男兄弟ならではのわちゃわちゃだ。安心してくれ。 「拷問された蜂は蜘蛛を大量に囲って無理矢理卵産み付けて拷問したり、蝶を大量に食べさせたりした変態だぞ」 お前も変態だろうが。 いや、でも……。 「ビー兄さんは、拷問とか、無理矢理蝶食べさせるとか、しないもんね」 俺の嫌がることはしない……と、思う。――――――変態は全開だけど。 「安心してくれ、イトたん」 「どう安心しろと」 俺に卵産み付けたい発言してきた兄よ。 「イトたんはおにいたんずで総受けでかわいがるから……!」 何それ総受けってぇっ! 「いや、待て。いくらなんでもコチョウ兄さんとセイガ兄さんまで変態に加えるなぁっ!!」 「何を言っている。おにーたんずはいつでも、どこでもずっとイトたんを愛してる」 「兄弟愛だろぉがぁっ!」 「禁断の兄弟愛だっ!」 そんなバカなーっ!バナナーっ!バナジウム~~~~っ!!! 「だからイトたん。イトたんのおちりにおにーたんのバナナーを挿し込んでもいいだろうか」 何それ。何なのそのビジュアルバンドのクールイケメンボーカリストオーラっ!その微笑みだけでファン1000人が即時失神するくらいのイケメンスマイル~~っ!! 言ってること変態そのものなのに、何このカリスマオーラっ!! まさにカリスマオーラの無駄遣い! 「その、もし、ぁれな、ことがあっても、きっとビー兄さんならコチョウ兄さんにぶっ飛ばされるよね」 バタフライバースの生態系のトップは蜂、一番下は蝶だが、我が家の生態系のトップは蝶のコチョウ兄さんだ。 そしてその二番手には拷問ジャーのセイガ兄さんもいる……。 「優しく、するよ」 「ビー、にいさんっ」 「あと、他の蜂のフェロモンついてたら、他の蜂は普通手を出さない。お兄ちゃんこう見えて、蜂の中でもバース性の本能強いから、当て蜂よけにも最適だ」 そう……そうだ。俺は蜘蛛。いつ蜂に蜘蛛であることを感知されて襲われるとも……っ。 因みに以下が蜂と蜘蛛の関係性。作品によって解釈が異なることもあるのでそこは要注意。でも相も変わらず蜂兄は変態だ!義弟の蜘蛛に卵産み付けたい変態だ!だから安心して読んでくれ! 蜂→蜘蛛:フェロモンや本能で分かる。繁殖に必要な卵床だから。 蜘蛛→蜂:フェロモンで分かる場合も、襲われて卵産み付けられて分かる場合もある 蜂⇔蜂:フェロモンで分かる 蜘蛛⇔蜘蛛:フェロモンで分かることも、分からないこともある。 ――――――つまり、蜂だけは全てを知っている。 そして他の蜂が餌付けすればそのフェロモンがつくから、他の蜂の蜘蛛だと分かる。 自分より強い蜂の蜘蛛ならば、手を出す当て蜂は稀。だがしかし、当て蜂だもの。空気読まない場合もある。襲われる場合もある。でも、対策しとくに越したことはないはずだ。 「抱いて」 俺の、身の安全のために……っ!よその何も知らない蜂に孕まされるなんて笑えない!さすがのスパダリ蜂でもヤンデレ蜂でもクズ蜂でも……。 リスクを考えたら、ビー兄さんは顔だけはいい!俺に嫌われるような本当に嫌がることはしない!(この兄の弱点は、俺に「ビー兄さんとはもう口効かない!」「嫌い!」「大嫌い!」と言われることである!) 「ぐはげほごはぁっ!!」 あれ、例えで出しただけなのに、ビー兄さんが……バタフライバース生態系トップの蜂が瀕死なのだが。 「抱けぇっ!俺の身の安全のためにぃっ!!」 受けとは、時に度胸。 蜘蛛にも度胸。 お兄ちゃんずに総受け弟も度胸っ! 「い……イットたあぁぁぁんっ!!!」 ――――――変態蜂兄、復活。 「愛している、イトたん。大切に、優しく抱くから」 ビー兄さんがぎゅむっと抱き締めてくる。 くんくん。 何か安心する。これがフェロモンってやつなのかな?でも蜘蛛にとって蜂は天敵のはずなのに……変なの。 「さ、行こうか」 ビー兄さんに腰を抱かれ、ビー兄さんの寝室へ。ビー兄さんのベッドはでかい。天蓋付きである。 「前から思ってたけど、ベッドでかすぎない?」 部屋は広いから別にでかくてもいいのだけど。 こんなシーンで何だが、一般家庭と比べたらうちは豪邸だと思う。兄弟それぞれの一人部屋はあるし、それぞれが広々としている。 庭も広ければ、トイレもいくつかある。お風呂はひとつだが大浴場風。 洗い場は兄弟4人だから4つだが、兄弟それぞれの分があるし、湯船はでかい。兄弟4つで脚を伸ばしたとしても余裕があるほどだ。 俺は家事専大学生だが、兄たちそれぞれは稼いでいる。この家は元々のビー兄さんの所有物らしいが……それなりにのびのびと暮らせる。 そしてそんな豪邸の中でも、まるで異世界の王子さまの寝室みたいなベッドがある、ビー兄さんの部屋。 「いつでもイトたんとヤれるように、設えてある」 ――――――――やっぱこの兄は、変態である。
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