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「…はあっ、はあっ…つ…疲れた」
さすがにここまで来れば追って来ないでしょ
「…もー!!」
今晩の宿探さないといけないのに…
蘭々はその辺が詳しいのに
「…本当に最悪」
「お疲れー未来」
「利奈いたの!!」
「まーここは私の隠れスポットだからさ」
「あーなるほどね」
「…サイレン鳴り止まないね」
「…本当に」
「…なんでさ、私らばっかこんな目に遭わないといけないんだろ」
利奈の言う通りだ
どこへ行っても私達に居場所なんてない
「…警察なんて何もしてくれない…のにね」
そう言って利奈は右腕をぎゅっと掴んだ
「…利奈」
利奈は実の父親から性虐待を受けていた
掴まれた右手の痣は消えたけど
それでもずっと痛みは消えない
消えるはずがない
一度出来たトラウマはもう
ずっとずっと頭と心の中で
残り続ける
「…利奈」
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