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プロローグ イジメの根絶は出来るのだろうか
まず、イジメは何故起こるのか考えてみましょう。
人間であれば利他的排除行為、簡単な言葉で言えば「間引き」を行っているからである。
人間の間引きと言われても、直感的にはわかりにくいためにこの場では植物の間引きを人間のイジメに例えて理解していただければ幸いである。
畑や花壇の野菜植物は、他の成長している芽に栄養を回すために小さい芽や成長しすぎた大きな芽を抜いて捨てることとイジメは同質であると言えるだろう。
人間は悲しいかな、弱者…… いくつか例を挙げるなら、体の小さい者・体が弱い者・運動の出来ない者・恰幅の良い者・頭の悪い者など「劣っている者」を排除する傾向にある。
逆に、強者…… いくつか例を挙げるなら、体の大きな者・体が強い者・運動の出来る者・筋骨隆々たるもの・頭の良い者など「優れた者」でさえも排除する傾向にある。
これに共通することは「異物」の排除。
同じような能力を持った集団の中で「劣っている者」「優れた者」がいることは、集団の和を乱すことに他ならない。
つまり、皆「おなじ」でなければ安心が出来ないのである。
和を以て貴しとなす。日本人の美徳とされているが、和に合わない人間はどうすればいいのだろうか? 大人しく排除されろと言うのだろうか?
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