十年後の君に

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十年後の君に

「最後に我が儘言わせて貰えたらだけど、10年後の12月1日にあの2人のお気に入りの場所で逢えますか」 「……ああ、わかった」  これが10年前つき合っていた景子の最後の言葉だった。この時、俺は返事をそれとなく返して別れたのだが月日が経つにつれその事を忘れていた。    俺の名前は浩人。今年で30歳になり会社員をしている。彼女は今はいない。  そんな話はどうだっていいか。話を戻そう。  そう。その事を忘れていたのだが、どう言うわけか最近夢でその時の事を見るようになり思い出したのだ。  夢の中の景子はあの時の儘なのだが唯一違うのは、あの台詞の後絶対来てねという台詞が追加されたことだ。    何か意味が有るのだろうか……。  俺は疑問を抱きながらもどうしても気になってしまい約束の場所に行く事にして予定をたてていた。
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