自転車
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「パパ、離したらだめだからね」 後を気にすることの無いよう、思い切り前に踏み出させる。 離れたところで待つ妻に向かって、息子は一人軽やかにペダルをこいでいる。 「すごい凄い!上手に乗れたじゃない」 興奮ぎみな2人を微笑ましく眺めながらも、内側の足首辺りに、痛みがじんわりとしてきた気がした。 俺はまだ、自転車に乗れない。
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