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雲一つない、満月が美しい夜
僕は小山の山頂の木の足下に着いた
10年前の約束を果たすために
10年前
短大で秘書の業務を学び、首席で卒業した彼女は大手企業の社長秘書となり僕より先に社会の門を叩いた
「10年後、ここで会いましょうね」
「うん」
この2年後、僕は名門大学の文学部を卒業して、ネット上で小説書きながら普通のサラリーマンになった
僕、小説家の野望を抱きながらも夢が脆くも破れてしまった
彼女とはこの10年、誠に残念ながら顔を合わせる事ができないが、メールでいろんな話をしています
あの頃は街を歩けば必ずと言って良い程「芸能人にならないか」と誘われる程のとてもエレガントな美人女子大生だったが、今はどんな女性になっているのかな!?♪
「ごめ~ん、待った~?♪」
「うう~ん♪」
思わず息を呑んだ
いや、呑まずに居られませんでした
あの頃の面影を残しつつも、オトナのオンナの色香の羽衣を纏い、その魅惑的な姿を表現するふさわしい言葉は、残念ながら、見つかりません♪
「ヤだ~♪そんな見ないで!?
恥ずかしいよ~♪」
「だって…」
「んふふふっ♪
君はあの頃とあまり変わらないね♪」
この日は結局、木の下でしばらく積もる話をして、そのまま別れた
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