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「暇だからゲームしよう、お前らつきあえ」
そんな連絡がきた。小学生の時一緒に遊んだ、マド。いつも突拍子もない事を言って私達を楽しませていたっけ。まあ、学校にあった時計塔の鐘をこっそり裏山に運んで五右衛門風呂作った時はさすがにやりすぎた。ブチ切れた校長先生に屋上から逆さづりの刑にされたな。
「いいよ、何すんの?」
テミカ、こういうのすぐ食いつく。
「丁度三百日連勤記念だ、何でもこい」
サジ、まず休みなさい。
「怪我と死人と毒ガスが起きない内容にしてくれよな」
避難勧告出す事態を起こしたお前がいうか、カスター。
「楽しみなような、怖いような」
そう私が送ると、みんなが「はあ?」とリアクションしてくる。
「すっかり常識人に成り下がったな、アル」
「あれから十二年よ、当たり前じゃん」
「まさか地図を書き換えるハメになる爆発をやらかしたアルから、そんな言葉を聞くことになるとは。誰が想像できたか」
「やかましい」
水素爆発をミスっただけだし。ちゃんと「ごめんなさい」って言ったし。
「約束した場所。ここだ、ってところに行ってくれ。全員一致すれば俺たちの友情パワーは本物だ」
「一人ひとり別のところに行くのがオチだと思うけど。それ一人だけ違う場所に行ったらショックで寝込むよ」
三百日連勤してるわりにメンタル弱いなサジ。いいからあんたは寝なさい。
「よおし、じゃあいくぞー」
「おう!」
みんながノリノリで返事をして、さて、と私は考える。たくさんの場所に行ったなあ、どこだろ。っていうか約束ねえ? なんぞ約束なんかあったかな。
だいたいはマドが「あそこいくぞ!」っていって、他の面子が悪巧みを加速させて暴走していろんなことがあったっけな。
約束、約束ねえ。やくそくむにゃあ
うとうとしてきた、いかん寝てしまいそうだ。起きろ私の脳細胞、自律神経頑張れ。あーだめだ眠気には勝てない。くっそー出遅れるースヤァ……
「十二年後の今日」
「そっか、そうだったんだ」
「なんかやたらと時間にこだわるなって思ってた」
「何やるにしても、十二年ってワードが出てくるんだもんな」
「よし、じゃあ十二年後にここで会おうぜ」
「ここ? え、マジで言ってんの? ここで?」
「あったりめえよ? できないと思ってる?」
「無理じゃないかなー」
「お、いったな」
「あーあ。マドのやる気にガソリン注いだ」
「これ絶対俺らも巻き込まれる系だろ」
「おいおい、まさかまだ自分はまきこまれてないと思ってんの?」
「マジか」
誰が何を言ったのかも覚えていないような、まどろみの中で見た夢。そっか、そうだ。約束したね、会おうって。みんな私に会いに来てくれるんだ。
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