のっぺりさん

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 重臣すらホンモノとニセモノの区別がつかぬことを利用し、殿のフリをして聞いてみた。 「影武者の両親の件はどうなった?」 と、鎌をかけてみたのだ。 「へ? ちゃんと始末したはずですが、なにかございましたでしょうか?」  意味が分からなかった。  重臣は続ける。 「どこかでニセモノだとバレたらことだから、親族を探して殺しておけと、殿が自分で言ったではありませんか」  !  俺の両親を殺した?!  許さぬ……  絶対に許さぬ……  ホンモノの殿は、今や親の仇となった。  許さぬ……  絶対に復讐してやる……  俺はひらめいた。  ホンモノの殿を殺し、俺が殿に成り代わるのだ。  誰も気づくことはあるまい。  そう、俺が殿となってこの地を治めるのだ。  フフフ……
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