12人が本棚に入れています
本棚に追加
重臣すらホンモノとニセモノの区別がつかぬことを利用し、殿のフリをして聞いてみた。
「影武者の両親の件はどうなった?」
と、鎌をかけてみたのだ。
「へ? ちゃんと始末したはずですが、なにかございましたでしょうか?」
意味が分からなかった。
重臣は続ける。
「どこかでニセモノだとバレたらことだから、親族を探して殺しておけと、殿が自分で言ったではありませんか」
!
俺の両親を殺した?!
許さぬ……
絶対に許さぬ……
ホンモノの殿は、今や親の仇となった。
許さぬ……
絶対に復讐してやる……
俺はひらめいた。
ホンモノの殿を殺し、俺が殿に成り代わるのだ。
誰も気づくことはあるまい。
そう、俺が殿となってこの地を治めるのだ。
フフフ……
最初のコメントを投稿しよう!