0.プロローグ

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「いいから、遠慮しないで甘えてみ?」 こんな甘ったるい顔は見慣れているはずなのに… たまにやってくる言いようのない不安や焦りを、嶽丸はまるごと包んで見えないようにしてくれる。 こんなときは、寄りかかってしまおう… ポスッと、待っている胸に頬を埋めてみれば、その意外なほどしっかりしたからだにドキンとした。 「いつでもこうしてあげるから、あんまり頑張るな」 ちょっと上を向けば、形の綺麗な唇が見える。 頭を撫でてくれる大きい手…チュッとこめかみに当たるのは、さっきの唇? あれ…嶽丸って、こんなに私を甘やかして、どうするつもり…?
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