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「チーズ牛丼特盛ギョクで!」
長身の方が勢いよく言った。
「チー牛特盛チーだくで!」
もう一人も勢いよく言った。
この二人もまた、大学に通う学生であり、プロレス同好会に所属している。
彼らもまた、汗をしっかりかいた後は、ここに来ることがお約束になっていた。
「へい、おまち! チーズ牛丼特盛ギョクとチーズだくね!」
店員が二人にどんぶりを差し出す。
二つのどんぶりには、甘く煮込まれた牛肉と玉ねぎが、山のように積み重なっており、そこにとろけたチーズがたっぷりかかっている。
一つは生卵までかかっており、もう一つは生卵こそかかっていないものの、チーズの量がより多くなっている。
「「いっただきやす!!」」
二人は箸を手に取り、チーズ牛丼を勢いよく掻き込む。
「リングで暴れた後のチー牛は最高だぜ!」
「だな。筋トレ後に食うのもいいぞ!」
彼らはここに来ると、決まってチーズ牛丼を頼んでいる。どうやら好物のようだ。
「これのおかげかどうかは知らんが、俺はチョップで瓦を四十枚割ることができたぞ」
「オレなんか、熊にスープレックスをかけたら、一発で倒せたぞ! チー牛さまさまだな!」
以前、肩幅の広い男がコンビニで買い物をしていた時に、体長百四十センチメートルほどの熊が、店内に入ってきたことがあった。
この時、彼は、襲いかかってきた熊をスープレックスで失神させたのである。
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