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私を見て、ルドルフが顎でシュヴァルツとユーグカを示した。
「俺たちもここで昼寝する。お前も寝ろ」
「えっでも」
「私が起きてますのでご安心ください」
ずっと黙っていた家令さんが端的に告げる。
「年寄りゆえ、昼寝の必要はございません。皆様は寝て、この後の労働に備えてください」
「その言い方なんとかならねえのかよ」
ルドルフさんが苦笑いする。
そして私に気を遣わせないためか、魔術師さんたちが次々とごろごろ転がり始めた。
「おやすみなさーい」
「ああ、地面に寝っ転がって寝るの最高……目が覚めたら小麦色に日焼けしてますように」
「冗談言わないでよ」
「あはは」
「ほら、俺らも寝るからお前も休め。荷物運びも虫除けも、危ないものを避けてやるのも、なんでも、『大自在の魔女』の能力でやってただろ」
「あ」
ルドルフさんには全部バレていたらしい。
「そうですね、寝ます」
私もシュヴァルツとユーグカの近くで、ころっと横になる。
目の前には、シュヴァルツの膝ですやすやと目を閉じる幸せそうなユーグカの寝顔があった。
頬が重みでとろけたように柔らかくたわんでいるのも、とんがった口元も可愛らしい。
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