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父や継母が「亡き妻の呪いだ」と言う、私の周りで発生する心霊現象なるものも、本当は私の『大自在の魔女』としての能力が暴走して引き起こしたポルターガイストだった。
享年20歳のレイラの意識が戻ってきた私は、シンプルに「この家はまずいから逃げだそう」と思った。そしてその日から来る日も来る日も、『大自在の魔女』としての能力を磨くことにあけくれ、同時に使用人の皆さんと仲良くして味方になって貰い、10歳の魔力検査の日まで爪を研いで生きてきた。
魔力は貴族にも平民にも生まれる能力だが、特に貴族にとっては重要だ。
支配階級が才なしなんて、恥ずかしいというのが常識なので、魔力が結婚や出世に大いに影響するのだ。
特に父ジョアン・シブレットは宮廷魔術局・第五地方支部総務管理官という魔力が無ければどうにもならない仕事をしているから、特に魔力の才能に敏感だった。
というわけで私は10歳の魔力検査で才なし判定を出した。
『大自在の魔女』の力は物質に影響する力。
四大元素の魔力検査しかできない、通常の水晶玉では反応しないのだ。
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