ケモミミホームズと懐かしい悪夢

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ケモミミホームズと懐かしい悪夢

   運動会に絶好な秋晴れの日。  お昼ご飯が終わり、聡花は靴を履きながら、父親を振り返った。 「お父さん、見ててね。  私、今年は絶対、ビリにならないからっ」 「一位になるからじゃないのか」 と桐生が来ていたら言われそうなことを聡花は言った。  だが、見ててね、という聡花のささやかな願いが叶えられることはなかった。  刑事たちが小学校の運動会に押しかけてきて、聡花の父を連れ去ったからだ。 「お父さんっ?  ……お父さんっ。  お父さ~んっ!」
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