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彼が連れて行ってくれた洋食屋は素朴でとても温かだった。
その優しい空間は、彼が着ているガンジーセーターの様で……胸ぐりの深いビキューナニットの私とでは水と油だ。
優しい笑顔の女将さんがお皿を下げた後、彼は静かな微笑みをくれた。
「この後、行きたい所があるんだ」
ああ、お酒無しだったのはそのせいね……
助手席の窓の外を様々なネオンが流れて行くけど車は真っすぐ高速道路へ入る。
どこまで拉致されるか……そんな気まぐれに翻弄されるのが私の本望。
だからゆきずりがいい。
でも高速を降りた車は暗い山間へと入って行く。
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