初夏の日に

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初夏の日に

五月になった。走ると汗ばむ。 歩道橋の階段を上がった時、片方の脚を ひょこひょこと、歩いている人がいた。 僕は、思いっきり 「 村岡君~ 」 と、叫んでみた。 その人は振り返った。 「 ここだよ~ 今降りて行くよ~ 」 急いで階段を降りた。 「 村岡君 」 「 坂井君、久しぶりだね~ 」 村岡君は、僕の中学時代の友だちだ。 村岡君は、みんなから、梅しば君、と言われていた。 もちろん僕も、梅しば君 、と呼んでいた。 小さなレストランに入って、一緒に軽い食事をした。 「 本当に久しぶりだね。梅、いや、村岡君は変わらないね。こうして会えて嬉しいな。 村岡君は、弁護士になったって聞いたよ。 凄いな~ 」 「 坂井君だって、変わらないよ。相変わらず、イケメンだよ! 」 二人で、アイスレモンティーを飲んだ。 「 僕、あの運動会のリレーのことを、今でもはっきり思い出すよ。 嬉しかったな~あの時。坂井君のお蔭で 走れたんだ。ありがとう、坂井君 」 僕は、坂井広 村岡君は、 弘 現在、二十七歳。 僕も、中学三年生の運動会のリレーのことを、忘れてはいない。 これから、その思い出を書いていく! と、僕は決めたんだ。

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