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爆ぜる想いとときめく予感
「おい、これ飲め」
「え、やだ。お酒がいい。お酒ちょーだい」
居酒屋でわたしの目の前に座って水を差し出してくる彼。
いらない!と渡されたグラスを押し返せば、わざとらしい大きなため息をつかれたあと、心底ダルそうに睨まれた。だけど、この視線にはもう慣れっこなのでわたしが怯むことなどない。
それにしてもほんと、綺麗な顔してるよなあ。
羨ましい。その顔になって人生謳歌してみたいよ。
身体をバタっと机の上に倒して頬をくっつけながら目の前の麗しい顔を見上げていれば、「そこ汚いから」と机についていない方の頬を容赦なく抓られた。
なんで、抓るんだろう。ふつうに痛いんですけど。やめてもらえます?
「いたいい〜」
「痛いじゃないし、早くこれ飲んで」
「これ水だもん。飲みたくない。わたしはお酒しか受け付けません」
「まじで飲みすぎだから。酔っ払いすぎ。ほんと、めんどくさい。置いて帰ってもいいわけ?」
頬ずえをついた彼の鬱陶しそうな視線が送られてくるけれど、結局はそんなことしないってわたしはちゃんと分かっている。
「い〜や〜だ〜〜、ねえ、わたし今日失恋したんだよ?!優しくしてよお、とおやああ」
「あー…、クッソだる。まじで置いて帰ろうかな」
「それは、だめだってば」
透弥は、グズグズしているわたしを更にダルそうで、且つ冷たい瞳で見下ろしてくるから本当に容赦ない。

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