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本棚に追加Love is~ 君がそこにいたから
仲が悪いわけではないが、時々連絡を取り合う。
そんな姉・美冬が知らせてきたのは、危篤だった。
今日か明日にはもう… そこまで読んでスマホを手に固まる俺。
隣にいた深月がどうしたの?と聞いてくる。
「あ、あぁ…姉がな…」
事情を話しながら俺は何とも言えない感情になった。
明日明後日は、久しぶりのオフで予定が入っていた。
俺のスケジュールに合わせてシフト調整してくれた深月とデートだ。
仕事を早めに進めてくれたり、楽しみにしていた彼女を知る俺は…、
申し訳なさに行かないと呟いていた。
どんな時にも価値観や、捉え方の違いは生じる。
だって危篤なのは、親戚でも親でもなく…ペット、姉の愛猫セナだ。
猫を飼う姉や俺には家族でもペットを家族とカウントしない人もいる。
それがいいか悪いかはまた別として…。
動揺に俺の目は泳いでいたのだろう。
深月が不意に俺の手を取った。
「行ってあげて…」
「けど今日逝くかは… 明日は予定もあるだろ…」
「いいの。だってもう会えなくなるかもしれないよ?」
真剣な眼差しで言われて俺の心は揺さぶられる。
「……あぁ、そうだな。悪い」
「もうこんな時間だね…。車と助っ人呼ぶから待ってて!」
「え、おい…。深月!」
車はともかく助っ人って誰だよ…?
俺の疑問は、置き去りに小一時間が立ち、一体深月はどこへ行ったのか、
「車と助っ人を用意したからマンションのエントランスに来て」と電話で指示があった。
エントランスにいるのかと向かうとそこに深月の姿はない。
代わりに梶原を思わせる黒のロングコートの男が一人いた。
中性的な顔立ち、いわゆる美形だが、どこかで見たことがあるような…。
男が俺に気づくと「君が秋月くん?」と気さくに聞いてくる。
その声は、宝塚の男役のような、爽やかで色気のある声だ。
「そうだが…」
深月はどこに行ったんだ…?
周りを見渡すと男が言った。
「深月ならいないよ。だからオレが助っ人に呼ばれたんだ」
「助っ人って…えーと…」
「これは失礼。北斗だ。深月は、マスコミ対策で後で来るってさ。
行こう。裏口に車を待たせてる」
北斗と名乗った男も深月の昔馴染みだろうか…。
少し警戒しつつ、実家の住所を告げると運転手はカーナビを操作し、
北斗は助手席へ俺は、後部座席に座った。
運転手は、カーナビのままに夜の街を走り始める。

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