始まりは 悠久の古都の 遺跡から。

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「ちょっと待ってくれよ……俺は……」 俺は自分が誰かも知らないし、ここが何処かも分からないんだぞ……? それなのにいきなり遺跡で目醒めて、いきなり蛇と交戦して、いきなり勇者と呼ばれて……。 それなのに何にも思い出せない……。 俺は彼女にここが何処かたずねようと、彼女の質問に答えず、逆に質問し返した。 「なぁルミネル、ここは何処なんだい?」 「!?……あなた、どうして私の名前を?」 「!?」 本当だ。 何故か分からないけど、俺は彼女の名を知っていた。 何でなんだ? 俺は誰なんだ? そんな疑問で押し潰されそうになった時……。 鋭い鳴き声とともに壁に潰された蛇が瓦礫を持ち上げてこちらを睨む。 それから大きく口を開けて大声で怒鳴るとその凄まじい勢いに吹き飛ばされて俺達はさっき見た剣の台座の近くに倒れた。
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