幻のカウントダウン

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        -1-     202X年12月31日        20:00 「今年も残りあとわずかね」    紅白歌合戦が始まった。テレビ画面を観ながら、由美が言った。 「一年間、あっという間だったね」  いつもより豪華な食事をつまみにビールを飲みながら僕は言った。紅白歌合戦の前半は今年も若いグループばかりで、大半が僕が知らないグループだった。幼いころから年越しと言えば家族でこれを観ることが慣例のようなっていて、その慣習が今でも残り続けている。そのせいで不満を漏らしながらも僕は大晦日の晩には必ず紅白歌合戦を観ている。         20:45  ようやく、僕の知っている歌手が出始めたころ、ニュース速報のテロップがテレビ画面に表示された。 ~札幌、ススキノの商業施設ノルベサの観覧車で爆発事故。けが人はいない模様。現在詳細を調査中~ 「観覧車が爆発だって?!」 「ふうん。なんだか物騒ね」  このあと、この爆発事件に僕たちが巻き込まれてゆくことを、僕たちはまだ知らなかった。      

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