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「もうちょっと詰めてよ」 「あ…ああごめんね」 充分詰めてたはずだけど。旬くん的にはまだ空間が欲しいみたいなので横にずれると、優輝の胸板にぶつかる。 シーツに片肘をついて、手に頬骨を乗せながら、上半身だけ起き上がってる。 寝転んだ私を見下ろすと優輝は黒い顔して微笑んだ。 こいつが自分で忠告してた、やばい所が見えた気がする。 旬くんは私達に背中を向けるように寝転んで、スマホを弄ってる。 ピッと電気が消された。 時刻はもう深夜を回ってた。 部屋が暗くなると急に襲ってくる睡魔。 瞼をそっと閉じながら、今日幸治と別れたのか…と改めて思い返す。 こんな別れ方になると思ってたかな? ううん、優輝達に出会ってなかったら、もっと悲惨な別れ方をしたのかもしれない。 そう考えるとみんなに感謝だ。 私を見つけてくれた優輝にも。
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