約束

9/10
前へ
/120ページ
次へ
目を細め目尻に皺ができる、あの大好きな笑った顔が目の前にある。 わたしは、どうしようもなく、この照れたような顔をされるのが好きで、自分からふれることが許されるのを望んでいた。 わたしは、その顔を見ていたい。 わたしを優しく見つめるその顔をいつまでもそばで見ていたい。 「まだ、好きってちゃんと言われてない」 「俺も言われてない」 その髪の毛にふれ、目の横にできた皺に指を這わせる。 「……好き」 今までも、ずっとこの優しい目で見つめられていた。 それなのに、気が付かないでいた…… 「いちばん好き」 「桃子、聞いて」 ずっと、聞くことから逃げていた言葉は―― 「愛してる」 今度は、わたしから抱きしめた。

最初のコメントを投稿しよう!

100人が本棚に入れています
本棚に追加
広告非表示!エブリスタEXはこちら>>