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目を細め目尻に皺ができる、あの大好きな笑った顔が目の前にある。
わたしは、どうしようもなく、この照れたような顔をされるのが好きで、自分からふれることが許されるのを望んでいた。
わたしは、その顔を見ていたい。
わたしを優しく見つめるその顔をいつまでもそばで見ていたい。
「まだ、好きってちゃんと言われてない」
「俺も言われてない」
その髪の毛にふれ、目の横にできた皺に指を這わせる。
「……好き」
今までも、ずっとこの優しい目で見つめられていた。
それなのに、気が付かないでいた……
「いちばん好き」
「桃子、聞いて」
ずっと、聞くことから逃げていた言葉は――
「愛してる」
今度は、わたしから抱きしめた。

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