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 僕は警察官の2人を部屋に入れた。そして芽衣が絶対に触るなと僕に言ってた本棚を警察官に調べてほしいと頼んだ。  本棚には芽衣が愛読していた本と本の間に薄いノートがまるで隠してあったかのように挟まっていた。  僕は警察官と一緒にそのノートを見た。 「私は友達にストーカーされている。でも、誰にも言えない。今日ストーカーされているところを見られてしまった。あの人に見られるとストーカーは死ぬ。  「これはどういう事なのか?ストーカーが死ぬ?芽衣さんが殺されるんじゃなくて?」  僕と警察官はこの時、まるでわからなかった。警察官は言った「聞いたことある。悪い人間を片付ける闇の組織があるって事をでもこの場合ストーカーじゃなく何故芽衣さんなのか?わからない」 警察官はそう志村勝己に言った。 3ヶ月後警察から電話があった犯人を逮捕した連絡だった。 僕は耳を疑った「えっ?犯人が?何で何で裕太なんだ?」ニュースでも報道されていた。犯人が森裕太だと言う事を。  どうして?僕は面会できる時期まで待って面会に行った。裕太から本当の事を聞く為に。  「どうして芽衣を?」  裕太は言った「それは俺が勝己の親友だからだよ」  「どう言う事なんだ?」裕太は話し始めた。  「僕は勝己と芽衣が上手くいくように願ってた高校の時からずっと、でも芽衣が嫌がらせされる度に勝己は悩んでただから芽衣に嫌がらせをしていた人を片付けたんだよ。  そして今回も2人の邪魔をするストーカーを片付けるつもりだった。  2人が上手くいくように。でも、芽衣は僕が今まで邪魔な人間を片付けていた事を知ってしまったんだよ。 そして僕に止めるように言ったんだ。でもストーカーがいたら結婚生活が上手くいかなくなるだろう?僕は親友として上手くいって欲しかったんだ」 勝己は言った「何で芽衣を?」 「芽衣が勝己に全て話すと言ったからさ、今まで助けてやったのに話されたら僕は勝己と親友じゃなくなってしまう。勝己の為にやったんだよ。俺達親友だから」 僕は頭からつま先まで血の気が引くのを感じていた。 完
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