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本棚に追加1 猿、ゴリラ、転校生
男の人が苦手。
だって、小学生のころクラスの男子って気に入らないことがあるとすぐに叩いてきたし、中学生になったら若い女の先生を下ネタでからかって遊んで楽しんでいたし、高校生になったら今度は同級生の女の子にえげつない下ネタをぶつけるようになった。
何かあると暴力で解決しようとするのって野蛮だし汚らしいし、異性相手に下品な言葉を投げつけて遊ぶのって、ゴリラやチンパンジーがうんちを投げてお客さんの反応を楽しんでいるのと同レベルだ。
「そんなこと言ってるから彼氏できないんだよぉ」
それでも、下ネタを浴びせかけられたって、やだ~なんて言いながら友達はその中のどれかと付き合ったり別れたりしている。信じられない、あんな野蛮で幼稚な人たちと、対等なお付き合いができるなんて思えない。
「……いらないよ、彼氏なんか」
いじけて口を尖らせると、杏里が私の頬をつついた。
「せっかくかわいいんだからぁ、青春楽しまなきゃ損だよ!」
「恋愛だけが青春じゃないもん」
「それはそうだけど~」
恋愛に憧れがない。と言うと嘘になる。
少女漫画で格好いいことを言ったりやったりするヒーローの男の子にドキドキはするし、私もいつかこんなふうに想われたいって考えるし、手をつないでデートとかもしたい。
恋愛自体はとっても興味がある。
だけど、その相手としてクラスの男の子を見たときに全然、ぜんっぜん気持ちが動かない。
だってゴリラが人間と付き合いたいって思わないように、人間だってゴリラと付き合いたいとは思わない。

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