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それから、一年は、あっという間に過ぎ去ってしまい彼は小学4年生になろうとしていたのであった。
女の子が引っ越してから数ヶ月の間は、毎日の様に手紙を書いてみたり電話してみたりしたそうなのだ。
しかし、彼の家庭がそれほど裕福ではなかったことと次第に新しい友達も増えたことから彼の中からは幼馴染の女の子の存在は小さく小さくなっていくのであった。
そうして、夏休みも残すところ数日となった、ある日のことである。
彼を残して両親が出掛ける事になり、留守番を頼まれたのである。
当然、毎日のように勉強しろ!と小うるさい母親もゲンコツをする父親もいないのだから、大好きなテレビゲームで好きなだけ遊べるぞ!と思い、彼はワクワクしていたのであった。
両親が出掛けるや否や、テレビの前に噛付くようにして新作のRPGを思う存分に楽しんでいたのであった。
すると、玄関のチャイムが《ピンポーン!!ピンポーン!!!》と甲高い音を立てて響き渡って来たのであった!
彼は、面倒臭そうに、パタパタと足音を立てて玄関へと向かう。
カチャリと鍵を外し、ドアノブを回すと真っ白なワンピースを着た幼馴染の女の子の姿があった。
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