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「あれ、もしかして、○○ちゃん?」
彼が、そう言うと彼女はコクリと微笑み、頷くだけだった。
よくよく、顔を見てみると風邪でもこじらせた様な血の気の無い真っ青な顔をしているではないか?
ビックリした彼は、具合が悪いのに無茶して遊びに来たのだろうか?
不安になる。
咄嗟に手を引くと夏だというのに氷の様に冷たい。
さらに不安になる。
ギュッと彼女の手を引いて怪訝そうな表情のまま居間に通すと、ソファーに横になるように促がした。
「ちょっと、待ってて、今すぐに温かいココアでも淹れてくるからさ。
なぁ、今でも好きだよな・・・。」
またも、コクリと微笑みながら頷く、彼女であった。
数分後、飲みやすいように熱々のココアに冷たい牛乳を少し加え、ぬるめにしたココアを2人分、持って
彼が居間に戻ってみると・・・・・・??
そこには、誰の姿も無いガラ~ン!とした居間があるだけだった!
当然、トイレにでも入っているのだろう?と思い、しばらく、待ってみるが10分も経過すると、もしかして、倒れているのでは無いのだろうか?
そんな不安に駆られて、トイレのドアをノックしながら呼びかけてみる。
「○○ちゃん、大丈夫?」
何度かドアをノックしてみるが返事が無い。
断りの一言を言ってからドアを開けてみると・・・
鍵がかかっていないだけでなく、誰もいなかった。
不思議に思い、家中を隈なく探してみるが、何処にも見当たらないのだ。
今度は外に飛び出して、思い当たるところを全部、探してみたが、やはり彼女の姿は無いのであった。
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