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疲れ果て、家に戻ってみるとタイミング良く、電話のベルが、けたたましく鳴り響いたのであった。
・・・ガチャリと受話器を取ると、そこから聞こえてきたのは・・・・・・。
《もしもし、○○さんのお宅でしょうか?》
電話の相手は、幼馴染の女の子のお母さんからであった。
《もしもし、おばさんなの?
あのね、実は、今、さっき○○ちゃんが家に遊びにきたんだけれど・・・。》
すると、おばさんは驚いたように、こう言った!
《え、○○は、昨日、交通事故で亡くなったのよ。
遊びに行けるはずなんて無いわ!!》
彼も、そうとう驚いた様子で聞き返す。
《そ、それじゃ、今日、僕があったのは・・・・。》
それに答えるかの様に受話器から聞き慣れた彼女の声が聞こえてきたのであった。
《・・・ふふ、約束だもんね!!
いっぱい遊べなくて、ごめんね!
あのね、あのね、○○君のことね、私、私ね、大好きだったの。
でも、もう、さよならしなくちゃイケないんだって・・・
バイバイ!・・・・・・》
それだけ言うと、プッツリと電話は切れてしまうのであった。
彼は、今でも、この不思議で切ない奇妙な体験が忘れられないのであった。
これは、きっと死して、尚も大好きな人に想いを伝えたかった女の子が起こした奇跡なのかも知れませんよね。
~第二夜・終~
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